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サンガネールへの道(1)


毎年インドへ買い付けに行っているGAYAですが、去年の11月、個人的には約6年ぶりにyumiさんと一緒に、5歳の私の息子も連れてインドへ行ってきました。


久しぶりのインドの空は、前代未聞の大気汚染で、ぶ厚いスモッグに覆われていました。


その日11月4日は、インドが記録的な史上最悪の大気質指数を叩き出した日で、空港からホテルに向かう道すがら、今までインド国内では見たことのない、マスク姿の人を何人も見かけました。

近年なぜこんなにデリーが大気汚染に見舞われているか。


もちろん急速な経済発展によって排出される火力発電所の排ガス、車の排気ガス、建設現場から出る粉塵によるところが大きいのですが、他にも、いかにもインドらしい要因があります。


毎年10月から11月に行われるディワリ祭は、ヒンドゥーのお正月のようなお祭りで、どの家族も山ほどの花火を打ち上げてお祝いします。そしていまだに続けられている農家による秋の野焼きの煙です。この5大要素が、奇しくもインドに到着した日に見事に重なってしまった、と言うことのようです。


加えて首都ニューデリーのある場所は地形的に盆地にあり、特に朝晩の空気が冷えるこの時期は、汚染された空気が下に溜まりやすいことも、状況を悪化させていたようです。


インドに行く前から、ここ数年はPM2.5の酷さを、方々から聞いていたけれど、まさか史上最悪の日に到着するとは・・・。


そんなデリーを、着いた翌朝には後にし、我々は別の目的地へ向かいました。


今回の旅の目的のひとつが、サンガネールの工房を訪ねることでした。


サンガネール染めの美しさに魅せられ続けていた私たちは、今一度サンガネールへ戻って、親しくなれる職人を新たに探したい、出会いたいと思っていました。


サンガネールは、ラジャスタン州のジャイプール近郊にある古くからの染めの町です。


5世紀もの間、その染色捺染の技術が受け継がれ、16〜17世期にその技術は花を開きました。


美しく描写された花のモチーフには、バラ、ハス、ヒマワリ、ユリ、マリーゴールドなどがあり、まるで草花が風に揺れ、自然を礼讃してるかのような優雅なデザインは、身にまとい風になびく度に、美しく現れ出てきます。


そしてサンガネールプリントの特徴は、他の産地はその地域の村人たちの為に染められてきたのに対し、サンガネールはマハラジャや王侯貴族、ヨーロッパへの交易品として主に染められており、東インド会社の主要な輸出品だったということです。


マハラジャやヨーロッパの人々の求める布を追求していく過程において、サンガネール染めには他の産地にない別の特徴も生まれました。


それは、下地の「白さ」です。


白く漂白すればするほど、より鮮明な色を出す事ができる。サンガネールの職人は、美しく染め上げる為に、生地を白くすることに並々ならぬ労力を費やしました。


その昔、生地を白くすることは至難の技でした。


ところがサンガネールの職人たちは、その当時から科学的に「漂白」する術を身につけ、高貴な色である白を生み出していたのです。


何を使ったかと言うと、牛の糞でした。


(つづく)


※写真は夜でも大気汚染のため曇ったデリーの夜空。夜霧のようで幻想的です。

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